
住宅ローン金利、15年ぶりの高水準へ
利上げ局面で問われる“借り方”と戦略
2026年4月、日本銀行の政策金利引き上げ(0.75%)を受け、住宅ローン市場は明確に転換点を迎えました。大手銀行は相次いで変動型の基準金利を引き上げ、3.125%へ到達。これに伴い、実質的な最優遇金利は1%を超え、約15年ぶりの高水準となっています。
今回の金利上昇は、新規借入者にはすでに4月から反映されており、既存契約者についても7月頃から順次適用される見込みです。これにより、今後は返済額の増加による家計負担の上昇が現実的な問題として意識され始めています。
金利動向の整理(2026年4月時点)
まず変動金利については、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行、りそな銀行、三井住友信託銀行といった大手5行が揃って引き上げに踏み切り、多くの金融機関で最優遇金利が1%を超える水準となりました。尚、最優遇金利はみずほ銀行が0.25%高い1.025%、三井住友信託銀行は0.35%高い1.08%、りそな銀行が0.31%高い0.95%となる予定です。
一方、固定金利も同様に上昇基調にあり、特に10年固定などの中期固定はじわじわと水準を切り上げています。固定の金利はみずほ銀行を除く4行で引き上げられ、三菱UFJ銀行は0.05%高い2.97%、三井住友銀行は0.2%高い3.455%、りそな銀行は0.09%高い3.345%となります。
また、全期間固定型であるフラット35は、借入条件にもよりますが、金利は概ね1.840%〜3.450%のレンジで推移しており、安定志向の選択肢として引き続き一定の需要を維持しています。

金利タイプ別の特徴と現在の立ち位置
現在のような利上げ局面では、各金利タイプの特徴がより鮮明になります。
変動型は、依然として初期金利が低く抑えられるため借入時の負担は軽いものの、今後の金利上昇局面では返済額増加リスクを直接的に受ける構造です。今回のように最優遇金利が1%を超えてくると、そのリスクは現実的な水準に入ってきたと言えます。
一方、固定型は金利水準こそ変動型より高いものの、完済まで返済額が確定するため、将来の金利上昇リスクを回避できる点が最大のメリットです。金利上昇局面においては、改めてその安定性が評価されやすい環境となっています。
今後求められる住宅ローン戦略
今回の金利上昇局面では、「低金利だから変動」というこれまでのセオリーはやや見直しが必要です。今後は、金利環境の変化を前提とした戦略的な選択が重要になります。
具体的には、繰り上げ返済による元本圧縮や、元金均等返済の活用による利息負担の軽減といった基本的な対策に加え、固定金利への借り換えを検討する動きも増えています。特に、将来的な収支に不確実性がある場合や、教育費などの支出増加が見込まれる家庭にとっては、返済額の安定化は大きな意味を持ちます。

総括
2026年は、住宅ローンにおいて「金利がある世界」への回帰が本格化した年と言えるでしょう。低金利時代には目立たなかったリスクが顕在化する中で、借入額や金利タイプの選択はこれまで以上に重要性を増しています。
今後は単に金利の高低だけでなく、「どの程度のリスクを取るか」「将来の家計にどのような影響が出るか」といった視点から、自身に適した住宅ローンを選択していくことが求められます。