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都心中古マンション市場に変化の兆し

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価格高止まりの中で進む“選別”の時代 


不動産調査会社の東京カンテイが発表した最新データによると、2026年3月の中古マンション市場において、都心価格に変化の兆しが見え始めています。

東京都心6区(千代田・中央・港・新宿・文京・渋谷)におけるファミリータイプ(70㎡換算)の平均希望売り出し価格は1億8,732万円(前月比▲0.2%)となり、2カ月連続で小幅下落となりました。下記の2022年以降の東京23区、都心6区の平均販売価格の推移の通り、都心6区に関しては現時点でのピークは2026年1月と考えられます。


  年月  東京23区(平均)   都心6区(平均)             状況解説
 2022年12月   6,842万円   9,843万円 低金利継続により、都心回帰と価格上昇が加速。
 2023年12月   7,055万円   10,995万円 都心6区が初めて1億円の大台を安定的に突破。
 2024年12月   8,250万円   13,500万円 インフレ懸念と新築高騰により、中古価格が急伸。
 2025年12月   11,950万円   17,900万円 海外マネー流入と「晴海フラッグ」等の入居開始で市場が激変。
 2026年1月   12,123万円   18,586万円 23区平均が1.2億円を突破。
 2026年2月   12,349万円   18,310万円 **都心6区が37カ月ぶりに下落。**在庫増の兆し。
 2026年3月   12,425万円   18,250万円 23区平均は上昇維持も、都心部は調整局面へ。
※70㎡あたりの平均希望売り出し価格。出所は東京カンテイ

“高すぎる価格”への買い手の反応


今回の下落は大きな調整ではないものの、市場の質的な変化を示唆しています。背景にあるのは、価格高騰に対する買い手の慎重姿勢です。


  • ・成約までの期間が長期化
  • ・指値(価格交渉)の増加
  • ・売主側の価格見直し


といった動きが顕在化しており、実際に直近3カ月以内に値下げされた物件は全体の44.3%と、過去ピーク(2023年3月:44.8%)に迫る水準となっています。



それでも「高値圏」は維持


一方で、マーケット全体が崩れているわけではありません。都心6区の価格は前年同月比では約+20%と、依然として高水準を維持しています。

また、東京23区全体でも平均価格1億2,425万円(前月比+0.6%)と上昇を継続しており、上昇トレンド自体は継続中です。

ただし、その伸び率は直近1年で最も小さく、これまでの“右肩上がり一辺倒”の局面からの転換がうかがえます。


都心外にも広がる“在庫増加と価格調整”


注目すべきは、この動きが都心6区にとどまらない点です。都心周辺エリアにおいても流通在庫が増加しており、価格を見直す物件が目立ち始めています。主な要因は下記の3点となり、複合的な要因が影響していると考えられます。


  • ①金利上昇局面への警戒
  • ②購入層の資金余力の変化
  • ③投資需要の一巡


市場は「上昇」から「選別」へ


現在の中古マンション市場は、明確に次のフェーズへ移行しています。これまでは“持っていれば上がる”市場でしたが、これからは“選ばれる物件だけが売れる市場”へと移行が進むものと考えられます。

具体的には、立地(駅距離・都心アクセス)、眺望・階数、建物のブランド・管理状態、間取りや使い勝手といった個別要素によって、成約スピードや価格維持力に大きな差が生まれています。


総括


今回のデータが示すのは「下落の始まり」ではなく、価格調整を伴う正常化です。

価格自体は依然として高水準にある一方で、買い手の目線は確実に厳しくなっており、市場はより実態に即した評価へと移行しています。

今後は、単なる相場観ではなく、個別物件の競争力を見極める力が、売主・買主双方にとってこれまで以上に重要になる局面といえるでしょう。



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