
東京23区「1.2億円」時代。中古マンション市場の熱狂と、足元に忍び寄る「調整」の影
東京23区 最新の中古マンション平均価格
2026年3月の東京不動産市場は、歴史的な転換点を迎えました。 東京カンテイが発表したデータによると、東京23区の中古マンション(70㎡換算)の平均価格は前年同月比30.8%上昇の1億2,425万円。3カ月連続で1億2,000万円の大台を突破し、首都圏平均も調査開始以来初めて7,000万円を超えました。
もはや「億ション」は、都心のごく一部に限られた特別な存在ではなく、23区全体の「平均」となったのです。
爆騰を支える「インフレ期待」と「地政学リスク」
この異常とも言える上昇を牽引しているのは、新築物件の供給減と価格高騰です。新築が2億円に迫る勢いの中、相対的な割安感を求めて中古市場に資金が流入しています。
さらに、足元ではイラン情勢を中心とした中東の不透明感が市場に影を落としています。エネルギー価格の高騰や供給網の混乱による「コストプッシュ型インフレ」が意識され、現物資産である不動産への逃避買いが短期的には価格をさらに押し上げる要因となっています。

「都心6区」で見え始めた異変
しかし、数字を細かく見ると、市場の潮目が変わりつつある兆候も見逃せません。 実は、価格高騰を牽引してきた都心6区(千代田・中央・港・新宿・文京・渋谷)の価格は、前月比でわずかに下落に転じています。
これは、あまりの価格高騰に実需層(実際に住む人)の購買力が限界に達し、在庫が積み上がり始めていることを示唆しています。投資家たちの間でも、「ここからの上値追いはリスクが高い」という警戒感が広がりつつあります。
長期予測:高値圏での「踊り場」へ
今後の展望について、東京カンテイは「長期的には調整の動き」を予測しています。
短期: 不透明な国際情勢によるインフレ圧力で、強気な売り出し価格が維持される。
長期: ローン金利の先行きや実需の減退により、高値圏で成約件数が鈍化。価格の「調整(あるいは横ばい)」局面へ。
不動産オーナーや投資家にとって、2026年は「出口戦略」を真剣に再考すべきタイミングと言えるでしょう。これ以上の価格上昇を期待して保有を続けるか、あるいは調整局面を前に一度利益を確定させるか。
平均1.2億円という数字は、市場の「ピーク」を知らせる鐘の音なのか、それとも通過点に過ぎないのか。東京の不動産マーケットは今、極めて重要な分岐点に立っています。

晴海フラッグの今後の展望は?
とりわけ、現在のマーケットにおいて最も注視すべきは、大規模供給で注目を集めた晴海フラッグをはじめとする湾岸エリアの動向です。
分譲当時の価格設定から見れば、現在の23区平均「1.2億円」という水準は、驚異的な含み益をもたらしているオーナー様も多いはずです。しかし、これほど急激な高騰は、同時に「出口」の難易度をも高めます。今後、住宅ローン金利の動向や、湾岸エリアでのリセール(中古販売)の競合が更に増加すれば、これまでの「出せば売れる」ボーナスタイムが終焉を迎える可能性も否定できません。
「平均価格が3カ月連続で1.2億円を突破した」というこの瞬間は、保有し続けるリスクと、利益を確定させるメリットを天秤にかける、これ以上ない好機と言えるでしょう。
特に、投資用として保有されている方や、住み替えを検討されている晴海フラッグのオーナー様にとって、「今の市場価値」を正確に把握することは、資産防衛の第一歩です。調整局面に入ってから動き出すのではなく、分譲時価格の150%~200%超での成約が維持されている「今」こそ、プロの目による精密な査定と、戦略的な出口設計が求められています。