広大な敷地と高い空地率が生んだ心地よさと開放感
HARUMI FLAGの中を歩いていると、なぜか心地よさと開放感を感じます。それはなぜなのでしょうか。緑や花が多く、自然を感じるから? それももちろんあります。各建物が個性を持ちつつも一貫性を保っているから? それもやはり正解です。
でも、もうひとつ大切な理由があります。それは、視界が遮られることなく遠くまで抜けているから、です。人は視界が遮られることなく、ずっと遠くまで見渡すことができるとき、安心感や開放感を得られ、心地よいと感じるようです。高原や海で地平線の彼方を見ると、心地よい開放感に包まれるのと同じですね。逆に視界を遮られてしまうと、どうしても圧迫感や不安を感じてしまうようです。
視界の抜けにまでこだわった住宅棟の配置
多くの街や集合住宅では、利用できる土地の面積と住戸数の関係などから、どうしても効率優先で建物の配置を決めがちです。無駄なスペースを極力減らすため、建物同士が直線的に列をなし、各列も平行に並ぶように配置せざるを得ないのです。
HARUMI FLAGでは、18ヘクタールという広大な土地があり、それに加えて駐車場をすべて地下に配置するといった工夫によって、さらに多くの土地の余裕が生まれています。そのおかげで、住戸や各施設の配置効率ありきではない、視界の抜けを意識した建物配置が可能になりました。
全体見取り図を見ると、そのことがよく分かります。例えば、SUN VILLAGEとPARK VILLAGEでは、中心を走るメインストリートにたいして、ある建物は平行に配置されていますが、他の建物は斜めに配置されています。これにより、メインストリートからSUN VILLAGE方向を見たとき、斜めに配置された建物の間を視線が抜け、より遠くまで見渡せすことができます。他の場所も同じで、再び全体見取り図を見てみると、ほとんどの場所から視界の抜け感が確保されていることが分かるはずです。
リズムを感じさせる街並み
大きな広場やゲート空間、辻広場、中庭といった空間も、こうした建物配置と共鳴しながら、街全体の連続性や界隈性などを生み出すように配置されています。各建物の角度に変化があり、その間に広場や中庭が配置され、緑豊かな並木道が通るという、どこにいても、どこから見ても魅力的な眺めが続いていきます。何気なく街の中を歩いていても、ちょうどよいタイミングで目に映る景色が変わっていき、心地よいリズムが伝わってきます。特別な用事がなくとも、いろんな街区を散歩したくなるような空間が広がります。
圧迫感を感じさせない配置と構造
HARUMI FLAGのフロア設計の特徴のひとつに、すべての住宅棟の1階部分には住居を設けない、というものがあります。その代わり、1階の中庭に面した部分は共用部を、道路に面した部分には店舗を設けています。そのうち店舗部分は、2階以上の住居部分より道路側にややせり出すようにデザインされています。1階部分がちょっと大きい、ということですね。こうすることで2階以上の建物上部が少し小さく見えるという視覚効果が生まれ、建物の圧迫感が低減されます。デザインの工夫によって改善できることがあるなら、可能な限り行う。こんなところにもHARUMI FLAGらしさが現れています。
もっとも、1階部分を共用部と店舗にしている理由はそれだけではありません。1階部分とは人が行き来するフロアレベルですから、そこに共用部や店舗が配置されていれば自然と人が集まり、街に賑わいと変化が生まれる、という工夫でもあります。
圧迫感を感じさせることなく、人が集まり賑わいをつくり出す。そんな一挙両得なデザインが施されています。
交流が生まれる場所をあちこちに
HARUMI FLAGの敷地のど真ん中には、象徴的なCENTER COREがあります。新たにオープンする商業施設や小中学校と、SUN VILLAGE、PARK VILLAGEの2棟のタワーで囲まれたこの大きな広場は見渡しもよく、ここを行き交う人々の交流の場として活用されます。
それ以外にも、街のあちこちに配置された広場や公園、道路のベンチなどで新しい出会いが生まれ、楽しい交流が繰り広げられるようになるでしょう